私はクオーターです。
父方の祖父が欧米出身で、国籍はアメリカ。
母は生粋の日本人。
小さい頃はほとんど意識すらしていませんでした。
意識し出したのは、中学生になってくらいからだったと思います。
街で外国人を見かけると「あ、外国人だ!」って普通にビビってました。
「自分もそうだよ!」と、心の中でツッコミを入れられるようになったのは、20代も後半だったような。
ハーフやクオーターにありがちな、
「どこの国にも属してない疎外感。」みたいなのは、全く感じたことがありません。
生まれた時代が良かったせいで、みんなクオーターに対して好意的な目で見てくれます。
新しい学校、新しい職場、どこへ行っても、興味津々で私に話しかけてくれます。
「人はみんな良い人」みたいな性善説的な考えを持つようになったのは、
こういう生い立ちが影響していると思います。
クオーターだからかどうかは分かりませんが、
自分の知らない世界への憧れがものすごく強くて、20代には旅行記やガイドブックなど、外国に関する本を読み漁りました。
寝ても覚めても外国の事ばかり考えていました。
心は常に「ここではない、どこか。」
行くあてもない旅行の計画を立ててみたり。
夫と出会ったのもスペインの旅行中でした。(この旅行に関しては、また別のところで書きます。)
もともと空想癖が強くて「自分はパリジェンヌ!」と思い込んで生活していたこともあります。
そのせいか分かりませんが、アルバイト先で「不思議の国の住人」とあだ名を付けられたこともあります。
多分ちょっとバカにされていたと思いますが、自分はそう言われて嬉しかったです。
「外国ではこうなのに。」と、日本に住んでいるのになぜか外国のものさしで物事を考えたり。
「〜では。」「〜では。」
こういう人のこと、「でわの神」って言うんです。まさに私です。
外国に傾倒しすぎて、日本を批判的な目で見てばかりいました。
今は反省して、あまり西洋の価値観ばかりから見ないように気をつけています。
むしろ、国を飛び越えて、宇宙人の視点で物事を捉えるようにしています。
宇宙人の視点で見ると、地上で起きているいろいろな問題が、
結構アホくさいことに思えてくるので、新鮮で面白いです。
例えば、サッカー。
ものすごく熱くなって見ていたのに、ふと冷静になって宇宙人の視点で見てみたら、
「どうしてこの人たちは、この丸い白い玉をこんなに真剣に追いかけているのか?」
といった風に思えてきます。
今の私の性格や価値観は、20代前半の多感な時期に、外国の価値観にたくさん触れたことで形成された部分が大きいです。
例えば、ピアスに関して。
今はよくわかりませんが、私が学生の頃はピアスの穴を開けることは許されていませんでした。
よく言われるのは「親からもらった大事な体に穴を開けるのは良くないことだから。」という、最もらしいセリフ。
私にはとても違和感があります。
外国では、赤ちゃんの頃にピアスの穴を開ける子もいます。
親が我が子に。
高校生の頃は、どうして国によってルールが違うのか不思議でした。
自分なりに考えて出した答えは、
「ユニバーサルでないルールには、そんなに意味はない。」ということです。
人として絶対に守るべきルールなら、どこの国でも同じようなルールがあるはずですから。
なので、高校生でピアスの穴を開けました。
この考えは今でも変わりません。
私が一方的な押し付けを嫌う性格は、この頃からです。
自分が納得しなければ、従いたくないです。
話が脱線してしまいましたが、クオーターに生まれて良かったな、と思うことはあっても、
クオーターに生まれなければ良かったと思ったことは1度もありません。
だって、自分の中に複数の国の血が入っているなんて、考えただけでもワクワクします。
自分の祖先の血を遡っていったら、どの大陸に行き着くのだろう?とか。
今は、遺伝子検査である程度調べられるらしいので、興味があります。