私も人並みに職場の人間関係で悩んだことがあります。
統計によれば、「仕事の悩み」ナンバーワンは「人間関係」らしいですから。
「仕事の悩みは?」って聞いてるのに、「人間関係」って、、、。
でも、納得の結果だなあと思いました。
若い時の私は、だいぶ調子に乗っていました。
ちょっと自慢っぽいですが、我慢して聞いて下さいね。
新卒で図書館に入ってから、ずっと悩みらしい悩みもなく働いていました。
仕事も好きだし、職場の人も大好き。
人生楽勝って思ってました。
職場が好きすぎて、お休みが2、3日続くと、出勤したくなるほど。
接客でも、クレームはほとんどなし。
それどころか、クレームをつけてきたお客さんも、私が対応するとすぐに軟化して、丸く収まります。
自分が相手に好意を持てば、相手も自分に好意を持ってくれる。
私はトラブルを跳ね返す「シールド」を持っているんだって思ってました。
正直なことを言うと、人間関係のトラブルって、結局はその人自身の問題では?
なんて、心の中で意地悪く思っていました。
本当に、人生舐めていたなと思います。
30代後半の時に、たまたまブラックな図書館に配属されてしまって、あまりの悪質な労働環境にびっくり仰天しました。
人の好意に、悪意で返してくる人間がこの世に存在することを初めて知りました。
きっと、「頭の中がお花畑」な感じの私のことが気に入らなかったのでしょう。
神様が、あまりに調子に乗っている私に、教訓を与えようとしていたのかもしれません。
人生で初めての経験で、しばらくの間、ずっとそのことばかり考えてしまいます。
どうして自分はあんな悪意を向けられなくてはいけないのだろう?
考えないようにしても無理で、負の思考のループにはまって抜け出せないような感覚でした。
眠ろうとすると、「あの人」のことが頭に浮かんできて、夜も眠れないようになってしまいました。
職場の他の人ともギスギスし始めて、職場自体が嫌いになっていました。
30代後半にして初めて、
「仕事行きたくない。」という人の気持ちが、本当に理解できるようになりました。
今まで自分が無傷でこれたのは、自分の実力ではなくて、ラッキーな職場にいただけだったと知りました。
でも数ヶ月ほど経った時、もうそんな状態でいることが嫌になりました。
私はけっこう自己中心的です。
誰かに自分が悩まされていることが悔しくなってきたんです。
自分はトラブルとは無縁の人間だったはず。
認めたくない気持ちもありました。
これからは、悩む時間をすっぱり止めようと決意しました。
自分の人生の時間の無駄だから。
こういう自己中心性は、時に必要です。
でも、どうやったら考えるのを止められる?
「あの人」以上に、私の中で重大なことを考えたらいいんじゃないか?
私の人生で1番大事なことって?
「犬」だな、と思いました。
私の悩みのタネになっている「あの人」に、そこまでの価値はあるのか?
「全然ない。」って冷静に思ったんです。
本当に、愛犬の愛しさに比べたら、
これっぽっちの価値もないなと思いました。
私の人生に「愛犬を幸せにする」という使命以上に大事なことなどない、と悟りました。
そこからは、ひたすら「あの人」と、心理的な距離を取ることに努めました。
今まで、嫌い嫌いと思うことで、結果的に「あの人」に注目するという皮肉なことをしていたようです。
注目することはやめました。
人間なので、完全に気にしないことは無理でも、反応することもやめるようにしました。
考えてみれば、「あの人」の言動は、「あの人」の問題であって、
私の問題ではないので、放っておけば良いのです。
たとえ「あの人」が私を嫌いだとしても、勝手に嫌っていればいい。
それによって苦しむのは、「あの人」自身。
「怒りすぎるといつか病気になっちゃうよ〜。」って思ってました。
性格悪いですかね?
でも、これくらい’’したたか’’でないと、自分の心は守れません!
アドラー流に言うと、「課題の分離」です。
お休みの日は愛犬とお出かけして思いっきり遊んで、今まで溜まっていたストレスを発散するようにしました。
そうして少しずつ心の健康を取り戻していきました。
そうなってくると、私の雰囲気もだいぶサバサバな良い感じになってきて、職場の人ともうまく行くようになりました。
別に無理に好かれようとも、嫌われようともしない。
なんせ、「どうでもいい」ことなので。
人生で1番大事なことを解っている人は強いです。
子供のいるお母ちゃんとか。
もう、圧倒的に大事な存在が生まれると、それ以外はどうでもいい!という心境になるのだと思います。
こういうスタンスでいると、人生が楽になります。
もちろん、誰かに嫌われている状態というのは決して気持ちの良いことではありません。
そこまで割り切るには、悩みに悩みました。
そうして身につけたのが、ある程度の「図太さ」です。
まあ、嫌われてもいっか!という開き直り。
また、それを身につけるには、「自分に対する自信」も必要になってきます。
だから、そのためにも、日頃の生き方が大事だな、と思います。
自分で自分を裏切るような生き方をしていたら、「自分に対する自信」は育ちません。
逆に言えば私は、自分自身の生き方に対して自信があるからこそ、
「あの人」を無視することができたんだと思います。
今までの人生で、決して故意に人を傷つけようとか、悪意のある態度を取ってこなかった自負がある。
だから、人からも不当な扱いを受ける筋合いは一切ない、と。
「自分に対する自信」を持つことができたら、「嫌われる勇気」が持てます。
誰だって、人を傷つけようとして生きてないですよね?
それならもうそれだけで、自分に自信を持つには十分だと私は思います。
堂々と自分の幸せを主張するべきだと思います。
だから、もし今、職場の人間関係で悩んでいるという方には、あえて職場から「心理的に」遠ざかることをおすすめします。
悩んでいる状態でいくら頑張っても、空回りするか悪い方向へ行くだけです。
少し遠回りに聞こえるかもしれませんが、
職場とは関係のないところで、自分にとって1番大事、と言えるものを見つけて下さい。
もしかしたら、すでにもう自分が持っているものが、1番大事だと気がつくだけでもOKです。
それが、巡り巡って、あなたもOK、職場もOKな環境を作り出します。